「すり身って結局なに?」と思った方へ。
原料の魚・作り方・栄養・おすすめの食べ方まで、練り物の土台になる“すり身”を一気に整理します。
すり身とは、魚の身を骨・皮・内臓から分離してすり潰し、食塩を加えた食材です。
かまぼこ・ちくわ・はんぺんといった練り物の、すべての出発点となります。
一見シンプルな素材ですが、原料となる魚の種類や製法によって、完成品の食感・旨味・弾力が大きく変わります。
博水は明治36年(1903年)の創業以来、すり身を作り続けてきました。
120年以上この素材と向き合ってきた立場から、すり身の基礎知識をまとめます。

すり身の原料となる魚
すり身には、白身魚が適しています。理由は2つあります。
1つは脂肪分が少ないこと。脂肪が多い魚は加熱時に油が出て、弾力が損なわれます。
もう1つは、弾力のもとになるたんぱく質「アクトミオシン」が豊富なことです。
このたんぱく質に塩を加えて練ると、加熱によって網目状に固まり、プリッとした食感が生まれます。
主な原料魚は以下の通りです。
- スケソウダラ:市場に流通するすり身の多くを占める。淡白でクセがない
- グチ(シログチ):九州・西日本で古くから使われる。上品な甘みがある
- エソ:弾力が強く、高級かまぼこの原料として重宝される
- イトヨリダイ:身が白く色が美しい。風味が上品
- イワシ・アジ・サバ:青魚。つみれや黒はんぺんに使われる。DHA・EPAが豊富
博水では、地元福岡で水揚げされた「えそ」を直接仕入れ、自社で処理して原料にしています。

すり身の作り方
採肉から完成まで、主な工程は5段階です。
- 採肉:魚の骨・皮・内臓を取り除き、白身だけを取り出す
- 水さらし:血液・脂肪・臭みの元となる水溶性たんぱく質を冷水で洗い流す。この工程で臭みが取れ、アクトミオシンの純度が上がる
- 脱水:余分な水分をプレスで絞り出す
- 擂潰(らいかい):細かくすり潰す。ここで食感の基礎が決まる
- 調合:食塩・副原料を加えて均一に混ぜる
擂潰の工程は、すり身の品質に直接影響します。
高速の機械で処理すると摩擦熱が発生し、たんぱく質が一部変性します。
博水では、この工程に石臼を使います。
石臼でゆっくりすり潰すことで熱ダメージが最小限に抑えられ、弾力と旨味が引き出されます。
この製法を、創業以来変えていません。

冷凍すり身と鮮魚すり身の違い
市場に流通するすり身には、大きく2種類あります。
冷凍すり身
工場で大量に加工し、砂糖・ソルビトール・リン酸塩などを添加して冷凍保存したもの。
冷凍中のたんぱく質変性を防ぐために糖類を加える必要があります。
流通が安定しており、スーパーで売られている練り物製品の多くはこれを原料にしています。
鮮魚すり身
水揚げされた鮮魚をその場で処理し、すり身にしたもの。
冷凍工程がないぶん、たんぱく質の変性が少なく、弾力と旨味が強く残ります。
添加物を加えずに済む点も、原料の純度を保つ理由になります。
博水では、冷凍すり身も併用していますが、昔から鮮魚原料の使用にもこだわり続けています。
すり身は原料と工程で味が決まる素材です。
旨味・風味・食感 ― 鮮魚原料が少し混ざるだけでも、冷凍原料だけで作る場合より、仕上がりがぐっと良くなることがあります。
すり身の歴史
すり身を原料とした練り物の歴史は古く、日本では平安時代の文献にかまぼこの記載があります。
当初は魚肉を竹の棒に巻いて焼いたもので、現在の竹輪(ちくわ)に近い形でした。
江戸時代に入ると板かまぼこが登場し、庶民の食卓に定着していきます。
明治以降、冷凍技術の発展とともに「冷凍すり身」の流通が始まりました。
工場での大量生産が可能になったことで、練り物は全国どこでも手に入る食品になっています。
ただし、冷凍技術が普及した後も、博水は鮮魚を自社で処理してすり身を作る方法を変えませんでした。
流通コストや手間の面では冷凍すり身のほうが合理的です。
それでも変えない理由は、食感と旨味の差が明確で、食べればわかるからです。
120年間続けてきたことには、それだけの根拠があります。
すり身の栄養
すり身製品100g当たりの主な栄養素(魚肉練り製品の平均値):
| 栄養素 | すり身製品 | 鶏むね肉(皮なし) |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 約12g | 約24g |
| 脂質 | 約2g | 約1.9g |
| カロリー | 約95kcal | 約116kcal |
たんぱく質の絶対量では鶏むね肉に劣りますが、加工食品として手軽に食べられる点でのコストパフォーマンスは高い素材です。
魚由来のたんぱく質は必須アミノ酸のバランスが良く、消化吸収率が高い。
さらに、カルシウムやビタミンDが含まれており、骨の健康維持にも寄与します。
青魚を原料とするすり身にはDHA・EPAも含まれます。DHAは脳神経系の機能維持に、EPAは血液循環に寄与するとされています。
子どもの成長期や、中高年以降の食事にも取り入れやすい素材といえます。
すり身の食べ方・おすすめレシピ
すり身はそのまま成形して使えるため、調理の幅が広い素材です。
シンプルな調理ほど、原料の差が出ます。
焼きつくね
生姜・醤油・片栗粉を加えて竹串に巻き、フライパンで焼く。作業10分。魚の旨味が凝縮されます。
タレは醤油とみりんを1対1で十分です。
すり身汁
味噌汁にスプーンで小さじ一杯ずつ落とすだけ。
加熱されたすり身から自然にだしが出て、汁の旨味が増します。
すり身バーグ
鶏ひき肉の代わりに使うと、肉では出せない弾力のある仕上がりになります。脂質が少ないぶん、胃にもたれません。
揚げすり身(さつま揚げ風)
玉ねぎ・ごぼう・にんじんを加えて小判形に成形し、油で揚げる。薩摩揚げと同じ要領です。
野菜の甘さとすり身の旨味が合わさります。
鮮魚から作るすり身は旨味が強いため、余計な調味料を加えなくても味が立ちます。
シンプルな調理ほど、原料の差が出ます。
博水のすり身を試す
博水のすり身は、オンラインストアからご注文いただけます。まず1パック、試してください。
食べ比べたとき、違いがわかります。
※商品ページで内容量・配送方法をご確認ください。


