皆さんは、日々の健康のために「タンパク質」を意識して摂取されていますか?
筋肉や骨、臓器、そして美しい髪や肌をつくる材料となるタンパク質は、私たちにとって欠かせない栄養素です。
最近では、筋力アップやダイエット、健康維持のために積極的にタンパク質を摂る方も増えていると思います。

しかし、ただタンパク質を摂るだけでなく、「消化吸収が良いタンパク質を選ぶ」ことが、健康を維持するために非常に大切です。
なぜなら、消化がうまく行われないと、せっかく摂ったタンパク質が体内で有効に活用されないからです 。
今回は、「魚肉練り製品(かまぼこ、はんぺん、ちくわなど)」が、実は驚くほど消化吸収性に優れているという研究結果をご紹介します。
驚きの実験結果!魚肉練り製品は肉や卵より消化が速い
東京大学の潮秀樹教授の監修のもと行われた実験では、人工胃液(ペプシン溶液)を用いて、さまざまな食品の消化速度が比較されました 。
その結果、はんぺん、カニカマ、揚げかまぼこ、板かまぼこ、ちくわといった魚肉練り製品は、焼肉やサラダチキン、ゆで卵よりも速やかに分解されることが確認されました 。

グラフで見ると一目瞭然です。ペプシン溶液に入れた後の乾燥重量の減少率(消化率)を見ると、かまぼこ・魚肉練り製品の消化率が、肉や卵よりも高いことがわかります 。
さらに、食材を人工胃液に入れて時間経過で大きさを観測する実験でも、魚肉練り製品が速やかに分解されていく様子が確認されています。
なぜ魚肉は消化吸収が良いの?
なぜ、魚肉はこれほど消化吸収に優れているのでしょうか?その理由は、魚の体の特徴にあります。
・体温が低いから、タンパク質が分解されやすい
魚は平均体温が30℃以下と、体温が35℃前後の哺乳類よりも低いのが特徴です 。そのため、魚のタンパク質は低体温でも機能するように、哺乳類のものよりも柔軟な構造をしています 。この柔軟な構造が、熱や消化酵素によって分解されやすさにも繋がっています 。
・腱や筋が少ないから、軟らかい
陸上に住む哺乳類は重力に逆らって動くため、筋や腱などの結合組織が多いのですが、水中に棲む魚は浮力があるため、そうした組織が少ないです 。これが魚肉の柔らかさの一因となり、消化のしやすさにも影響しています 。
これらの理由から、お魚たんぱく質は消化酵素の分泌を少なく済ませることができるため、消化器官への負担が少ないのです 。
魚肉練り製品がおすすめな3つの理由
1. 胃もたれしにくい!体に優しいタンパク質
消化吸収が速いお魚たんぱく質は、胃や腸への負担を抑えることができます 。そのため、たくさん食べても胃がもたれにくいと感じる方が多いようです 。これは、消化機能が低下しがちな高齢者の方や、運動後の疲れた体にも最適です 。
2. 筋肉のゴールデンタイムに効率よく補給!
運動後の30分間は、筋肉の補修に成長ホルモンが多く分泌される「ゴールデンタイム」と呼ばれています 。このタイミングで、筋肉の材料となるアミノ酸を体内に補給することが大切です 。消化吸収が良い魚肉練り製品は、摂取したタンパク質が速やかにアミノ酸として筋肉に届くため、効率的なリカバリーをサポートします 。
3. 朝のタンパク質補給「朝たん」にも最適!
睡眠中も新陳代謝のために多くのタンパク質が消費されます 。そのため、朝食でタンパク質を補う「朝たん」が注目されています 。消化吸収の良いお魚たんぱく質は、元気な一日のスタートにぴったりです 。
かまぼこは「良質なタンパク質の宝庫」
かまぼこ・魚肉練り製品に含まれる9種類の必須アミノ酸は、いずれも国際基準(理想値)を上回る量が含まれており、バランスに優れています 。そのため、アミノ酸スコアは100点満点です 。
近年、タンパク質の消化性を加味した新しい評価方法「DIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)」でも、かまぼこや刺身のDIAAS値は、豆腐や鶏むね肉よりも高い値を示しており、良質なタンパク質であることが示されています 。

まとめ
かまぼこ・魚肉練り製品は、消化吸収が速く、体に負担をかけずに効率よくタンパク質を摂取できる優れた食材です。健康志向のビジネスマン、アクティブなアスリート、そしてご家族の健康を気遣う方々にとって、日々の食生活に取り入れやすい選択肢です。
今日から、食卓に魚肉練り製品を加えて、手軽に効率よく「お魚たんぱく」を摂り入れてみませんか?
出典:お魚たんぱく健康研究所「お魚たんぱくハンドブックvol.1すごい魚肉」