九州発“幻のいくら”の親魚 サクラマスをアップサイクル!
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九州発“幻のいくら”の親魚 サクラマスをアップサイクル!

福岡・宮崎の老舗×大学発スタートアップが描く“水産業の未来”  サクラマスで繋ぐ持続可能な海のバトン

 

宮崎市で最も歴史のある蒲鉾店 合資会社山口商店、宮崎大学発のスタートアップで高温耐性の選抜育種を活用したサクラマス養殖を手がける株式会社Smoltと協業を開始します。

3社協業

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本協業では、Smoltが養殖する高級魚「サクラマス」から、金色に輝く「つきみいくら(R)」※1を採取した後の魚体をアップサイクル。

博水が魚体から魚肉を取り出しすり身に加工する伝統の技術でサクラマスを高品質なすり身に加工し、山口商店が地域の味を活かした製品へと昇華させます。

この取り組みは、老舗企業が持つ伝統技術と、スタートアップの革新的なアイデアを融合させ、水産資源の完全活用とフードロス削減を実現し、持続可能な水産業の新たなモデルケースを構築するものです。

サクラマス

■ 協業の背景:老舗の課題意識と、スタートアップの情熱が合致

近年、気候変動や乱獲による水産資源の減少、担い手不足など、日本の水産業は多くの課題を抱えています。

こうした中、株式会社Smoltは、宮崎大学の研究成果を基に、淡水と海水を行き来するサクラマスの完全養殖に成功しました。受精、孵化から次世代の採卵までをすべて自社で完結できるため、天然資源に頼らずに安定的な養殖が可能です。ゲノム編集ではない選抜育種という手法で、高水温耐性などの優れた形質を持つ個体を掛け合わせることにより、地球温暖化が進んだ環境でも持続的にサーモン養殖ができる世界を目指し、研究開発を進めています。

特に、製品として産卵期の雌からのみ採取できる「つきみいくら(R)」は、その希少性と美しさから“幻のいくら”として注目を集めています。

つきみいくら

しかし、いくらを採卵した後の親魚は、産卵にエネルギーを使うことで身の脂質含量が少なくなるため、食用としての価値が低いとされ、その多くが活用されていませんでした。

この貴重な水産資源を無駄にしたくないというSmoltの強い想いに、長年水産資源と向き合い、その価値を最大限に引き出すことに尽力してきた博水と山口商店が共鳴。

それぞれの知見と技術を持ち寄ることで、この課題を解決できると確信し、今回の協業が実現しました。

 

■ 今後の展望:日本の伝統技術“練り物”の可能性を、未来へつなぐ

私たちが本協業で目指すのは、単に新しい商品を開発することだけではありません。それは、「練り物」という日本の伝統的な食品加工技術が、これまで活用が難しかった魚の未利用部位や、規格外とされる魚(未利用魚)に、新たな価値を与える優れた技術であることを、この取り組みを通じて示していくことです。

魚の命を大切に、余すことなく旨味へと変える練り物の技術は、まさに魚を大切に扱ってきた先人たちの知恵であり、現代のフードロスという課題にも貢献できる大きな可能性を秘めています。私たちはこの協業を通じて、「練り物=海の恵みを活かす技術」としての価値を、改めて丁寧に伝えていきたいと考えています。

その第一歩として、まずは今回の協業から生まれるサクラマスのアップサイクル商品の開発と販売に注力してまいります。そして将来的には、今回のサクラマスでの取り組みをひとつのモデルケースとして、他の魚種や地域への展開も検討してまいります。

老舗が受け継いできた知恵と、スタートアップの新しい発想を掛け合わせることで、水産業の持続可能性に貢献し、消費者の皆様に新しい美味しさと食の楽しさをお届けできるよう努めてまいります。この連携から生まれる、新たな価値にご期待ください。

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